
もくじ
富士山本宮浅間大社の中にある、富士山からの伏流水・湧玉池
富士山からの伏流水が溶岩の隙間から湧き出し、泉となったのが湧玉池(わくたまいけ)です。そのため場所も富士山本宮浅間大社境内にあり、国の特別天然記念物にも指定されています。
富士にまつわる神事と関わりの深い湧玉池
湧玉池では富士山山開きの伝統行事である禊が行われたり、8月には湧玉池を水源とする富士宮市内神田川で「御神火(ごじんか)まつり」が開催されたりするなど、神事にも深い関わりがあります。
また、平安時代の歌人・平兼盛による「使ふべき 数にをとらん 浅間なる 御手洗川の そこに湧く玉」という湧玉池について詠まれた歌もあります。
こういった神事や歴史的背景の豊富さも、湧玉池の特徴と言えるでしょう。
富士山登拝と湧玉池
浅間大社の主祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)であり、境内に湧玉池という水源があることからも、火難消除の守護神とされています。
富士山の噴火を鎮めるために、元々は現在よりも6kmほど北に位置する山宮に祀られていました。
古来より、富士山道者は湧玉池で身を清め、六根清浄を唱えながら登る風習があります。室町時代後期に描かれたとされ、浅間大社に保管されている重要文化財『絹本著色富士曼荼羅図』には、富士山登拝禅定(ふじさんとうはいぜんじょう・富士山に登り悟りを得るための修行)の様子が描かれており、湧玉池もその構図の中に収められています。当時の富士信仰の文化を伝えるとともに、湧玉池の歴史も感じさせる貴重な資料となっています。
パワースポットとしても名高い
湧玉池は富士山下にあることから日本の中心であるとも言われ、パワースポットとして訪れる方も多いようです。特に池のご神水を祀り、いただくことも出来る水屋神社などが人気です。
湧玉池の水量・保全事業
富士山からの伏流水が、幾重にも重なった溶岩の隙間から湧き出す湧玉池。その水量は1日約20万トンと非常に豊富で、年間を通し安定しています。
水温も常に13度前後で一定し、富士宮市内を流れる神田川の水源となっています。水質保全に関しては、漁業権を持つ組合による神田川清掃が年4回行われています。
また浅間大社青年会によるごみ拾いや、池内のコカナダモの除去も毎年6月に実施されています。コカナダモの除去は、池内のバイカモの保全につながっています。
湧玉池へのアクセス
所在地・静岡県富士宮市浅間大社境内
アクセス
JR身延線 富士宮駅下車、北に徒歩10分。
車でお越しの場合は、富士ICより東名富士ICで降り、約20分。
駐車場・大型10台、小型50台(いずれも有料)