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年間20万人が訪れるそうめん流しも魅力・唐船峡京田湧水
唐船峡京田湧水(とうせんきょうきょうでんゆうすい)は、薩摩半島南端の指宿市開聞に位置しています。九州の最南端にあるこの湧水は九州最大のカルデラ湖・池田湖からの伏流水で、その豊富な水量は宮田川へと注がれ、地域の生活用水・灌漑用水として利用されています。
また、季節を問わず年間通して味わえる、清涼なそうめん流しも有名です。
清涼で美味な「そうめん流し」
唐船峡京田湧水で有名なのが、渓谷の清流を利用したそうめん流しです。年間通し約13度に保たれた清涼な水を活用したそうめん流しは、夏だけでなく1年中楽しむことが出来、毎年約20万人の人々が訪れています。
昭和37年から始まり、唐船峡は「回転式そうめん流し器・発祥の地」とも言われています。
唐船峡京田湧水の歴史
湧水の由来などの歴史だけでなく、唐船峡には水源保護にも長い歴史があります。全国にさきがけ、明治時代から水源保護に取り組んできた先進的な名水でもあるのです。
唐船峡京田湧水の由来
開聞町郷土誌によると、昔、唐船峡地域には竜宮城伝説があり、山幸彦をもてなした饗殿がここにあったという伝説から「京田」の名がついたとされています。
また山幸彦の求婚を乙姫が聞き入れ返事したほとりを「御返事河(ごへしご)」と呼び、それが「御瓶子川(ごへんじがわ、ごへいしがわ)」となったのが、現在の宮田川だとも伝えられています。
明治から続く水源保護思想
唐船峡では、明治時代から取り締まり申し合わせ規約を定め、飲料水への病原菌流入を防ぐため監視を行ってきました。そうした水源保護思想は地域にしっかりと根付き、現在の指宿市水道水源保護条例へとつながっています。
条例では水源保護地域・準水源保護地域での掘削目的の事業禁止などを定め、水質保全と水量の保護に努めています。湧水池周辺は指宿市職員やそうめん流し従業員が中心となり、清掃・美化活動も盛んに行われています。
そうした水源保護により、清涼で安全な水が保たれ、湧水池内ではチョウザメ・ニジマスなども養殖されています。
唐船峡京田湧水へのアクセス
所在地・鹿児島県指宿市開聞
アクセス
JR指宿枕崎線 開聞駅下車、バスにて「唐船峡バス停」下車。
JR指宿枕崎線 指宿駅から行く場合は、開聞方面へ車で約30分。
指宿駅からバスに乗る場合は、開聞方面 池田湖行きに乗車、「唐船峡バス停」下車。
※同じ開聞行きでも山川桟橋や開聞山麓方面のバスに乗ってしまうと、唐船峡方面には行きませんのでご注意ください。
※電車・バスともに本数が少なめですので、時刻表を事前に調べていくことをお勧めいたします。