
もくじ
セリやクレソンなどが群生する豊かな森の水源・地蔵滝の泉
中国地方最高峰・大山の中腹に湧き出る泉、それが地蔵滝の泉(じぞうだきのいずみ)です。辺りはセリやクレソンなど、豊かな植物が群生しています。美しい水源と植物によって作られる郷土料理や特産品も有名となっています。
水源の地蔵菩薩は旅の守り仏
大山は昔から信仰の山として崇められていました。古くは、大山寺では日本三大牛馬市の1つが行われ、大山祭の際には多くの参詣者で大変賑わったと伝えられています。
地蔵滝の泉は、出雲・米子方面からの交通の要衝であったため、そうした参詣者の休憩地として親しまれてきました。泉の水を飲むと気力が回復すると言われ、参詣者はこの森と水にしばし癒やされたのち、再び旅路についたそうです。
泉に祀られている地蔵菩薩は、集落と水源の守り仏という役割だけではなく、大山寺の地蔵信仰とも重なり、旅の安全の守り仏としても信仰されていたのです。
豊かな水から作られる作物
地蔵滝の泉の水は非常に豊富で、地元鳥取県の水道水や灌漑用水の他、特産品の生産にも使われています。また、水源の森に群生するセリやクレソンは郷土料理にも活用されています。
清涼かつ水量も豊富
地蔵滝の泉の湧水量は1日に約19.4万と、非常に豊富です。このため古くから上水道や灌漑用水として地域の暮らしを支えてきました。水温も年間を通し約11度に保たれ、特に暑い時期には涼を求めて訪れる方も多いようです。
地元・丸山生産森林組合が50年間にわたり植林などの森林保全事業を行っており、その他にも地域住民・行政・企業が一体となった森林・水源の保全活動が実施されています。
名水を使った郷土料理や特産物
地蔵滝の泉のある森はセリやクレソンの群生地としても有名です。そのため、泉の地蔵菩薩は別名「芹川地蔵」とも呼ばれています。こうしたセリやクレソンは郷土料理にも活用され、食卓を賑わせています。
また、水源の灌漑用水から作られる「八郷米」も有名です。
他にも水脈の地下水を利用したお酒・地ビール造りや、上水道を利用したお豆腐作りも行われています。
地蔵滝の泉へのアクセス
所在地・鳥取県西伯郡伯耆町
アクセス
鉄道でお越しの場合
JR西日本 伯備線 伯耆溝口駅よりタクシーで伯耆町役場へ
高速バスなどでお越しの場合
関西・山陽方面より「米子行き」乗車、米子自動車道「大山PA」下車、タクシーで伯耆町役場へ
伯耆町役場前バス停より町営デマンドバス(要予約)乗車、「ガーデンプレイス」下車、徒歩10分
車でお越しの場合
米子自動車道溝口IC下車、大山方面から大山ロイヤルホテルへ向かって約4km