真名井の清水 – 京都府舞鶴市

真名井の清水

日本最古の上水道の水源と言われている名水・真名井の清水

「真名井の清水」と名の付いた水源は全国にいくつかありますが、ここで紹介するのは京都府舞鶴市にある真名井の清水(まないのしみず)です。

当地にあった田辺城の主・細川幽斎が、日本で初めて上水道の水源としたと伝えられています。水質や環境の保全は現在も続いており、今も美しい名水として地域の暮らしを支えています。

 

真名井の清水、その歴史

日本最古の上水道と言われている真名井の清水。江戸時代に細川幽斎が整備したと伝えられていますが、清水自体はそれよりずっと以前からこの地域にあり、伝説や逸話を残しています。

 

清水の誕生

真名井の清水は伊佐津川の伏流水が、舞鶴市公文名・七日市地区を中心に湧き出しているもので、水源となっている池は市内3か所に分かれています。

水源が3か所あることについて、丹後風土記によると以下のような伝説が残されています。

 

豊受大神(とようけのおおかみ)という神様が白雲山の向こうにある真名井という場所から降臨された。それを見た天香具山の命(あまのかぐやまのみこと)という神様が三本の矢を放ち、矢が落ちたそれぞれの場所に湧いた清水を大神への供物とした。

こうした伝説から、豊受大神の降臨とともに3か所の水源が生まれたと言い伝えられています。

また、丹後風土記の中には真名井の清水について、乾くことも溢れることもなく「その味甘露の如し、万病を癒す力がある」とも記されています。

 

細川幽斎と真名井の清水

江戸時代にはこの土地の主であった田辺藩主・細川幽斎が「御水道」と呼ばれる水路を引き、真名井の清水を田辺藩の生活用水としました。これは日本最古の上水道と言われています。

また細川幽斎は茶道にも造詣が深く、真名井の清水でお茶を楽しんだという有名な逸話も残されています。

 

「御水道」を守る取り組み

真名井の清水の湧水量は、1日約1.1トンと言われ、現在も地域の生活用水・農業用水として利用されています。

江戸時代の「御水道」にちなんで、「御水道掃除」という湧水池や水路、水辺の環境保全に関する取り組みも積極的に行われ、開水路ながら非常に美しく保たれています。

また、JR西舞鶴駅前の新世界商店街、マナイ商店街では清水を汲むことが出来ます。特にJR西舞鶴駅横のバスターミナルに設置された日本庭園型水汲み場は、野点も出来そうな雰囲気で、細川幽斎の逸話を思い起こさせるものとなっています。

 

真名井の清水へのアクセス

所在地・京都府舞鶴市

アクセス

湧水池へは、JR西舞鶴駅下車、京都交通バス「真倉行き」乗車、「城南中学校前」下車。

水汲み場へは、JR西舞鶴駅下車すぐ。

 

真名井の清水(まないのしみず)周辺の地図 – 住所:京都府舞鶴市

-参考-

京都の自然200選 真名井の清水
平成の名水百選(真名井の清水)