荻道大城湧水群 – 沖縄中頭郡北中城村

荻道大城湧水群

南国沖縄で10ヵ所の湧水を巡る旅・荻道大城湧水群

荻道大城湧水群(おぎどうおおぐすくゆうすいぐん)は、沖縄県で唯一平成の名水百選に選ばれた水源です。沖縄県中頭郡北中城村10ヵ所に点在するこの湧水群は、沖縄では古くは「ウンジョウウフグスク」とも呼ばれてきました。

荻道と大城という2つの地区を巡りながら、湧水を探す旅に出かけましょう。

 

点在する湧水群

荻道大城湧水群はアガリヌカー、チブガー、イリヌカーなど、全部で10ヵ所に分かれています。案内板や石碑などがあるものもありますが、どれも町中に隠れるように点在しています。地図や住民の方々のお話から宝探しのように探していける、ちょっと変わったタイプの湧水です。

 

 荻道と大城にまたがる湧水群

元々湧水が集まっていた大城地区が集落として形成されたのが約700年前と言われています。一方荻道地区は17世紀に記された「琉球国高究帳」と、18世紀に記された「琉球国由来記」にその名が登場しています。

湧水の利用は集落形成時からと考えられ、近隣にある中城城跡の石積みと同様の造りのものが多いことから、湧水群は1440年頃に出来たのではないかと言われています。

 

石垣や南国の植物に囲まれた湧水

湧水は古くから健康祈願などに用いられ、火の神や仏壇にも供えられてきました。お正月には地区役員が水の恵みに感謝を捧げ、発展と健康を祈願する「ハチウビー(初御水)」の伝統も継承されています。

湧水群の中でも「アガリヌカー(大城の東の泉)」「イリヌカー(大城の西の泉)」「ヒージャーガー(大城)」はそれぞれの湧水の周りが広場になっていて、石垣と南国の植物に囲まれた独特の雰囲気を味わいながら、ゆっくりと水音を楽しむことが出来ます。

荻堂地区にある湧水は、比較的こぢんまりとしていて、正に隠れるように存在しているものが多くなっています。しかしその分、昔からそれぞれの地域の住民の憩いの場として、洗濯や水浴びなどに利用されてきた歴史があるようです。

 

地域の日常の中にある湧水

住民が中心となって、自発的に清掃や植物の水やりなどを行っているのも特徴で、日常的に手入れがなされています。また、観光地修景緑化事業により8000本の蘭やブーゲンビリアも植えられています。

1日の湧水量は30トンで、農業用水としてサトウキビ・さやえんどう・菊・蘭などの栽培に役立ち、また洗濯用水や家畜用の飲み水などにも利用されています。

 

荻道大城湧水群へのアクセス

所在地・沖縄中頭郡北中城村

アクセス

バスでお越しの場合…喜舎場バス停留所より徒歩20分

車でお越しの場合…沖縄自動車道「北中城IC」下車5分

 

荻道大城湧水群(おぎどう・おおぐすくゆうすいぐん)周辺の地図 – 住所:沖縄中頭郡北中城村


 

-参考-

荻堂・大城湧水群・北中城村
荻道・大城湧水群活性化実行委員会設置要綱