
もくじ
お地蔵様や水神様に守られた見所満載の水源・いたち川
富山県富山市にある「いたち川」は、お地蔵様や水神様が祀られた湧き水のある、由緒正しい川です。
灯篭流しやドンドコ祭りといった行事も盛んで、また文学作品の舞台にもなっているなど、見所満載の名水となっています。
見所満載のいたち川を歩こう
冒頭でも紹介したように、いたち川には逸話や見所が満載です。ひとつずつ順番にみていきましょう。
いたち川の名前の由来
いたち川には、常願寺川堤防にいたちが大穴を空け、それが川となったという伝説が残されています。
しかし、実際には農業用水を引くために作られた川だというのが本当のようです。昔こうした公的事業を「えだち」と呼んでいたため「えだち川」と呼ばれ、それが「いたち川」になったと言われています。
延命地蔵の水・いたち川に残る逸話
いたち川は水害を度々起こし、中でも安政5年の大地震の際には甚大な被害が出たと言われています。この時、お告げに従い川から拾い上げた地蔵尊像を供養することによって、災害や病に苦しむ人々を救ったというのが「延命地蔵の水」の伝説です。
このことからこの地の湧き水は万病に効く「延命地蔵の水」として有名になりました。今も名水として石倉町泉橋のたもとに祀られています。
他にも水害を鎮めるため水神様を祀った「水神橋」など、たくさんの橋にそれぞれの逸話が残っています。
川のシンボル「ドンドコ」
「ドンドコ」とは富山の方言で、川が小さな滝のように流れ落ちる様子を指します。双泉橋と水神橋の間にあるこの「ドンドコ」は、いたち川のシンボルゾーンとして地域の人々に愛され、ドンドコ祭りや灯篭流しも行われています。
富山文学ゆかりの地
いたち川は富山文学の舞台としても知られています。芥川賞作家・宮本輝の『蛍川』はいたち川を舞台としていて、文学碑も建てられています。
また、サラリーマン小説で知られる直木賞作家・源氏鶏太は、ここ富山市泉町の出身。生家の近くである泉橋の近くに文学碑が建てられています。
いたち川の環境保全活動も活発
いたち川へと流れる湧水量は、それぞれ延命地蔵の水が1日約40トン、水神社の水が約20トンです。
水場や周辺の清掃や、石碑や案内板の設置も積極的に行われています。文化的な背景や景観から観光資源にもつながるため、環境保全もしっかりと実施されています。
いたち川へのアクセス
所在地・富山県富山市
アクセス
JR北陸本線 富山駅下車後、市内路面電車にて周回。
もしくは富山地方鉄道 大泉駅下車後、市内コミュニティバス中央ルート・清水町ルート乗車、各観光ポイント最寄りバス停下車。