
もくじ
琵琶の音のような水音に美しい伝説が残る名水・妙音沢
この場所で、信仰深い盲目の琵琶法師が、弁財天から琵琶の秘曲を授かったという。この伝説が妙音沢(みょうおんざわ)の名前の由来だと言われています。
まるで琵琶の音のように美しいせせらぎを聴かせてくれる名水にふさわしい美しい名前です。
盲目の琵琶法師と弁財天の伝説
妙音沢は埼玉県新座市東部、黒目川沿いの雑木林の中にあります。黒目川へと流れる湧き水の支流が大小2つあり、それらが合わさった沢が妙音沢です。
冒頭の通り、盲目の琵琶法師が弁財天に秘曲を授かったという伝説が妙音沢の名前の由来ですが、新座市内の方台寺にはそれにまつわる「妙音沢物語」という逸話が残されています。
物語の中で、秘曲を授かった後、琵琶法師が眠りから覚めると弁財天の姿が消え、弁財天の描かれた掛け軸だけが残されているという場面があるのですが、それにまつわる掛け軸も方台寺には保管されています。
その他にも、江戸時代には沢の場所に滝見の参道や茶店があったとも伝えられ、歴史的にも価値の高い名水となっています。
保全活動により希少な植物や生態系もみられる
妙音沢の湧水量は毎分1トンと非常に豊富で、水もきれいなため、農業用水としても利用され、地域の生活に欠かせない水源となっています。
沢を囲む雑木林は約3.3ヘクタールあり、妙音沢緑地として地域市民や行政による保全活動が活発に行われています。その保全活動の成果もあり、妙音沢緑地にはカタクリ、イチリンソウ、ニリンソウなどの希少な植物や、プラナリア、サワガニ、ヘビトンボといった豊かな生態系もみられます。
主に、「新座の自然とくらしを守る市民の会」が中心となり、希少な動植物のパトロールや水生生物の調査、下草刈り運動や不法投棄物の撤去運動などが行われています。こうした活動により、妙音沢の環境と水質が保たれているのです。
また、平成25年には木道も整備され、より雑木林から沢までが歩きやすくなりました。涼しい雑木林の中、伝説も残る妙音沢のせせらぎを聴きながらの散歩は格別です。ぜひ足を運んでみてください。
妙音沢へのアクセス
妙音沢緑地は黒目川沿い、新座高校のグラウンドすぐ隣です。駐車場がないため、電車やバスを使って訪れる方も多いようです。
所在地・埼玉県新座市
アクセス
東武東上線 朝霞台駅からお越しの場合
朝霞台駅南口から、西武バス「ひばりが丘駅北口」行き乗車、「新座高校」下車徒歩5分
西武池袋線 大泉学園駅からお越しの場合
西武バス「新座栄」行き乗車、「新座栄」下車徒歩5分
駐車場・なし